「介護保険を使いたいけど、どこに申請するの?」 「申請してから、どのくらいで使えるようになるの?」
母の介護が始まったとき、私もまったく同じ疑問を持っていました。何もわからないまま市役所に電話して、たらい回しにされている感覚で、それだけで疲れてしまった記憶があります。
この記事では、要介護認定の申請方法と流れを、初めての方でもわかるようにまとめました。順番に読んでいただければ、何をすればいいかがわかります。
そもそも要介護認定って何?
要介護認定とは、「この人にはどのくらい介護が必要か」を国が判定する仕組みです。
介護保険のサービスを使うには、この認定を受けることが必須です。認定なしでは、ヘルパーさんを頼んだりデイサービスに通ったりすることが介護保険の範囲でできません。
認定結果は以下の7段階に分かれています。
| 区分 | 状態の目安 |
|---|---|
| 要支援1・2 | 日常生活にやや支援が必要な状態 |
| 要介護1 | 立ち上がりや歩行が不安定で、一部介助が必要 |
| 要介護2 | 移動や食事などに介助が必要になってくる |
| 要介護3 | 立ち上がり・歩行・排せつなどに全介助が必要 |
| 要介護4 | 日常生活全般に介助が必要で、介護なしには生活が困難 |
| 要介護5 | 意思疎通も難しく、ほぼ全ての動作に介助が必要 |
数字が大きいほど介護の必要度が高く、使えるサービスの上限額も上がります。
申請から認定までの流れ
全体の流れはこうなっています。
STEP1 申請する → STEP2 認定調査 → STEP3 主治医の意見書 → STEP4 審査・判定 → STEP5 結果通知 → STEP6 サービス利用開始
申請してから結果が届くまで、通常約30日かかります。急いでいる場合はその旨を窓口で伝えると、対応が早まることがあります。
STEP1:まず申請をする
どこに申請するの?
お住まいの市区町村の介護保険担当窓口、または地域包括支援センターで申請できます。「どこに行けばいいかわからない」という場合は、まず市区町村の代表番号に電話して「介護保険の申請をしたい」と伝えれば、担当窓口に案内してもらえます。
誰が申請できるの?
本人か家族が申請できます。本人が窓口に行けない場合でも、家族が代わりに申請できます。私も母の代わりに一人で窓口に行きました。ケアマネージャーや地域包括支援センターのスタッフに代行してもらうことも可能です。
必要なものは?
- 介護保険被保険者証(65歳になると自動的に届く水色の証明書)
- 申請書(窓口でもらえる、ネットでダウンロードも可能)
- 主治医の氏名・医療機関名・電話番号がわかるもの
- 印鑑(不要な自治体もあり)
申請書には主治医の情報を書く欄があるので、かかりつけ医の情報をメモして持っていくとスムーズです。
STEP2:認定調査がある
申請後、市区町村から委託された調査員(多くはケアマネージャー)が自宅を訪問して、本人の状態を調べます。
調査では、以下のような項目を確認されます。
- 身体機能(立ち上がり・歩行・食事・入浴など)
- 認知機能(日付や場所がわかるか、など)
- 日常的な介護の状況
大事なポイント:普段の状態を正直に伝える
調査当日、本人が「頑張ってしまう」ことがよくあります。普段は一人で立てないのに、調査員の前では緊張して無理に立とうとしてしまうケースです。
私も母の調査のときに「普段より元気に見えてしまうかも」と心配しました。普段どんな状態かを家族がメモして調査員に見せるか、口頭で補足するといいです。「普段はこういう状態です」と伝える権利が家族にはあります。
本人の前では言えないことは、見送りのときに伝える
もう一つ、私が実際にやってよかった方法をお伝えします。
母の調査のころ、精神的にとても追い詰められている時期がありました。「申し訳ない」が口癖になっていて、自分の存在を責めているような状態でした。
でも、母は調査員の前で「精神的なことは言わないでほしい」と口にしていました。プライドや恥ずかしさ、家族への気遣いがあったんだと思います。
気持ちはわかる。でも、心の状態や精神的な不安定さも、認定の判断に影響します。家族としては、やはり正確に伝えたかった。
そこで私がとった方法が、調査員を玄関の外まで見送り、その場で伝えるというものでした。母に聞こえない場所で、「実は最近こういう状態で……」と話すことができました。調査員の方も、こういったケースには慣れていて、自然に受け止めてくれました。
本人の尊厳を傷つけずに、必要な情報を伝えられるこの方法、もし同じ状況になったらぜひ使ってみてください。
STEP3:主治医の意見書
認定調査と並行して、市区町村から主治医に意見書の作成依頼が送られます。家族が直接動く必要は基本的にありませんが、かかりつけ医に「要介護認定の申請をした」と伝えておくとスムーズです。
かかりつけ医がいない場合は、申請前に相談しておく必要があります。
STEP4・5:審査と結果通知
調査結果と主治医の意見書をもとに、コンピューターによる一次判定が行われます。その後、保健・医療・福祉の専門家で構成される「介護認定審査会」が最終的な判定を行います。
結果は郵送で届きます。申請から約30日が目安です。
結果に納得できない場合は、区分変更申請を行うことができます。「思ったより軽い認定だった」と感じた場合は、ケアマネさんに相談してみてください。
STEP6:サービスの利用開始
認定結果が届いたら、いよいよ介護保険サービスが使えるようになります。
まずはケアマネージャーを選んで、ケアプラン(サービス利用計画)を作ってもらいます。ケアマネは地域包括支援センターや市区町村窓口で紹介してもらえます。費用は無料です。
申請するタイミングはいつがいい?
「まだそこまでひどくないから」と申請を先延ばしにする方が多いですが、早めに動くことをおすすめします。
理由は2つあります。
1つ目は、申請から認定まで約1ヶ月かかるため、急に状態が悪化してもすぐにサービスが使えないこと。2つ目は、認定結果が出る前でも、申請日に遡ってサービスを利用できる場合があるためです。
「なんとなく不安になってきた」「そろそろかな」と思い始めたら、まず地域包括支援センターに相談してみてください。相談は無料で、申請すべきかどうかも一緒に考えてもらえます。
まとめ
要介護認定の流れをまとめます。
- 市区町村窓口または地域包括支援センターで申請
- 認定調査員が自宅を訪問(普段の状態を正直に伝える)
- 主治医の意見書が作成される
- 審査・判定(約30日)
- 結果通知が届く
- ケアマネを決めてサービス開始
難しそうに見えて、一つずつやればそれほど複雑ではありません。「何から始めればいいかわからない」という方は、まず地域包括支援センターに電話してみてください。親切に教えてもらえます。
一人で抱え込まず、使える制度はどんどん使っていきましょう。
この記事の情報は2026年4月時点のものです。制度の内容は変更される場合があります。詳しくはお住まいの市区町村またはケアマネージャーにご確認ください。
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