介護休業給付金、私はまだ使っていません。それでも「知っていること」に救われた話

最初に正直に言っておきます。

私はまだ、介護休業給付金を使ったことがありません。

母を在宅で介護して7年。仕事と両立しながら、何度も「もう限界かもしれない」と思う日がありました。それでも、この制度には手をつけていません。

使えなかったわけではないんです。**あえて、使わずに取っておいている。**今日はその話をさせてください。


目次

介護休業給付金とは?(かんたんに)

まず、制度のことを最低限だけ。

家族の介護のために仕事を休む制度を「介護休業」といいます。そして、その休業期間に雇用保険から給与のおよそ67%が支給されるのが、「介護休業給付金」です。まず会社に介護休業を申し出て、その上で給付金を申請する——という順番になります。

対象家族1人につき通算93日まで、最大3回に分けて取得できます

雇用保険に入っていれば、会社員でもパート・アルバイトでも対象になります。お金の出どころは会社ではなく雇用保険なので、会社に金銭的な負担をかけるわけでもありません。

制度の細かい条件や申請方法は、ここでは省きます。今日書きたいのは、制度の使い方ではなく、「使わないという選択」についてだからです。


なぜ、使わずに取っておくのか

介護休業給付金は、通算93日と決まっています。一度使えば、その分は減っていく。無限に使えるわけではありません。

だから私は、こう考えました。

本当に困ったときのために、取っておこう。

私が想像する「本当に困ったとき」は、具体的にあります。母が完全に寝たきりになってしまったとき。認知症を発症したとき。今の生活が、今のやり方では立ち行かなくなる日です。

そんな日は、来てほしくない。心からそう思います。でも、介護をしていれば、いつかその日が来るかもしれないことも、どこかで分かっている。

だからこそ、そのときのために、迷いなく切れるカードを1枚、手元に残しておきたかった。今この瞬間に使ってしまって、いざというときに「もう使い切ってしまった」となるのが怖かったんです。

これは我慢ではありません。納得した上での選択です。


「知っている」だけで、心に余裕が生まれた

不思議なもので、実際には一度も使っていないのに、この制度には何度も救われています。

救われたのは、「知っている」という事実そのものにです。

介護をしていると、先の見えない不安にのみ込まれそうになる瞬間があります。この生活がいつまで続くのか。自分の体は持つのか。お金は大丈夫なのか。

そんなとき、頭の片隅に「いざとなれば、給付金がある」という事実があるだけで、ほんの少しだけ呼吸が楽になる。もし追い込まれても、多少のお金が入れば、少しは身動きが取れる。その余裕が、今日を乗り切る支えになっているんです。

制度は、使って初めて意味があるものだと思っていました。でも違いました。知っているというだけで、選択肢が増える。選択肢が増えるだけで、心に余白が生まれる。

使うかどうかは、また別の話。まず「知っている」状態にしておくこと自体に、価値があったんです。


だから、まず知ってほしい

もしあなたが今、介護で仕事を辞めるかどうか悩んでいるなら。あるいは、毎日ぎりぎりで踏ん張っているなら。

介護休業給付金という制度があることだけは、知っておいてください。

今すぐ使う必要はありません。私のように、お守りとして取っておいてもいい。でも、その存在を知っているのと知らないのとでは、追い込まれたときの選択肢がまるで変わります。

知らなければ、選ぶことすらできない。知っていれば、いつでも選べる。

その「いつでも選べる」という感覚が、長い介護を続けるうえで、思っている以上に大きな支えになります。


まとめ

  • 介護休業給付金は、休業前の給与の約67%が支給される制度(通算93日・最大3回)
  • 日数が決まっているからこそ、「本当に困ったとき」のために取っておくのも一つの選択
  • 実際に使っていなくても、「知っている」だけで心に余裕が生まれる
  • まずは制度の存在を知っておくことそのものに価値がある

頑張りすぎないでください。そして、自分を守るカードは、知っておくだけでいい。使うのは、本当に必要になったときで十分です。

この記事の情報は2026年6月時点のものです。制度の内容は変更される場合があります。詳しくはハローワークまたは厚生労働省のホームページをご確認ください。

給付金以外にも、仕事を辞めずに介護を続けるための制度があります。介護休業・介護休暇・残業免除も含めて整理した記事を読むと、自分が今どこに立っているか見えてきます。

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