母がパーキンソン病と診断されてから、もう何年も経ちました。
駅員として夜勤をしながら、ひとりで母の在宅介護を続けてきて、振り返れば本当にいろんなことがありました。薬のこと、転びやすくなったこと、夜中に何度もトイレに起きること、夏になると急に動けなくなること——どれも、最初は何が起きているのか分からず、戸惑うばかりでした。
この記事は、そんな私がこれまで書いてきたパーキンソン病介護の記事を、一つにまとめた「入口」です。
「親がパーキンソン病かもしれない」と不安な方も、「診断はされたけど、これから何に気をつければいいの?」という方も、ここを起点に、知りたいところから読み進めてもらえれば嬉しいです。きれいごとは書きません。実際に介護してきた私が、正直に感じたことだけをまとめています。
パーキンソン病とは?診断されるまでの話
最初に母の異変に気づいたとき、私はそれがパーキンソン病だとは思いもしませんでした。
パーキンソン病は、手の震え(振戦)、動作が遅くなる、筋肉がこわばる、歩き方がぎこちなくなる——といった「運動症状」が少しずつ現れる病気です。ゆっくり進行するので、家族でも「歳のせいかな」と見過ごしてしまいがちです。
診断までには、神経内科での問診や、MRI、場合によってはDATスキャンといった検査を経ることになります。私自身、母を連れてどの科にかかればいいのか、何を調べてもらえるのか、最初はまったく分かりませんでした。
我が家の場合、最初のサインは母の「なんか最近、足が重いんだよね」という一言でした。それが診断にたどり着くまで、約2年。いくつもの科を回り、回り道もしました。「もしかして」と思ったとき、何から始めればいいのか。私の体験を別の記事に詳しくまとめています。
運動症状とリハビリ|「動かなくなる」とどう向き合うか
パーキンソン病の介護をしていて、私が一番強く感じているのは「歩くことをやめさせてはいけない」ということです。
体を動かさないでいると、できていた動作がどんどんできなくなっていきます。だからこそ、リハビリは欠かせません。我が家では、どんなに暑い日でも母を外に連れ出して、歩く時間を作るようにしています。
ただ、夏の炎天下でのリハビリは熱中症のリスクと隣り合わせです。時間帯を選んだり、日陰のある公園を使ったり、日傘を活用したり——続けるための工夫が必要でした。
夏のリハビリをどう乗り切っているか、具体的な工夫はこちらにまとめています。
また、夏になると母が午前中から動けなくなる時期が2年続きました。原因が分かるまで、私は薬の副作用だとばかり思っていました。実際には、水分が足りていなかった。1日にどれだけ飲めているのか、私は一度も測っていませんでした。
そしてもう一つ、運動症状で気をつけたいのが「転倒」です。パーキンソン病はバランスを取りづらくなるため、転びやすくなります。骨折は介護が一気に重くなるきっかけになるので、家の中の危険箇所を見直すことが本当に大切です。
我が家では特に、「手すりの設置」と「夜間の照明」の2つが効果的でした。すくみ足や立ち上がりのふらつきに備えて家中に手すりを付け、夜のトイレの不安には人感センサーの照明で対応しています。どちらも自分で取り付けた実体験を、別記事に詳しくまとめました。


見落としがちな非運動症状|便秘・頻尿・不眠
パーキンソン病というと手の震えのイメージが強いですが、実際に介護していて悩まされるのは、むしろ「運動以外の症状」のほうかもしれません。
我が家で長く続いた悩みの一つが、母の便秘でした。パーキンソン病の方は腸の動きも鈍くなりやすく、母も若い頃から便秘がちだったのが、さらにひどくなっていきました。最終的にモビコールという薬で、長年の悩みが大きく改善しました。

夜のトイレも深刻でした。夜に3回も4回も起きる。夜のトイレは転倒のリスクも上がります。これも薬で夜1回まで減らすことができました。
そして睡眠の問題。母は不眠にも苦しみました。最終的に「昼に外に連れ出してドライブする」という、薬に頼らない方法で眠れるようになっていきました。
これらの非運動症状は、本人も家族もつらいのに、なかなか人に相談しづらいものです。だからこそ、同じ悩みを持つ方に「こういう方法もあるよ」と伝えたいと思っています。
食事と薬の付き合い方
パーキンソン病の介護で、毎日いちばん頭を悩ませているのが「食事」です。
仕事も介護も家事もある中で、母の食事を毎日考えるのは正直しんどい。「今日はサボりたい」と思う日もあります。そんなとき、宅配弁当という選択肢にずいぶん助けられました。

もう一つ、パーキンソン病ならではの注意点が「薬と食事の関係」です。主な治療薬であるレボドパは、タンパク質と一緒に摂ると吸収が妨げられることがあると言われています。飲むタイミングと食事の組み立ては、効き目に関わる大事なポイントです。
【ブログカード:レボドパとタンパク質の飲み合わせ(準備中)】
使える制度とお金|難病申請を忘れずに
パーキンソン病の介護で、知っているか知らないかで大きく差が出るのが「制度」です。
パーキンソン病は国の指定難病に該当する場合があり、難病申請をすることで医療費の助成を受けられることがあります。書類が多くて手続きは大変でしたが、知らないままでいるのは本当にもったいない。実際に母の申請を経験して、流れや必要書類、受け取れる手当までをまとめました。
難病申請とあわせて、要介護認定や介護保険サービスも早めに押さえておくと、介護の負担がぐっと軽くなります。制度については別カテゴリにもまとめているので、あわせて読んでみてください。
介護する側が抱える現実
最後に、これは病気の症状の話ではなく、介護する「私たち側」の話です。
パーキンソン病の介護を続けていると、体力的なしんどさだけでなく、思いがけない壁にぶつかります。私にとって一番つらかったのは、母を婦人科に連れて行くときでした。男性が母親の通院に付き添うことの、あの独特の視線。1年かけて、ようやく自分なりの折り合いをつけられました。
そして、ひとりで介護を抱え込むことのつらさ。誰にも言えず、弱音を吐く場所もない——そんな夜を、私も何度も過ごしてきました。同じ状況にいる方に「ひとりじゃない」と伝えたくて、このブログを書いています。
【ブログカード:ひとりで介護してきて正直つらかったこと(準備中)】
まとめ|知りたいところから、少しずつ
パーキンソン病の介護は、運動症状だけでなく、非運動症状、食事、薬、制度、そして介護する側の心——本当に多くのことが絡み合っています。
全部を一度に抱え込もうとすると、押しつぶされてしまいます。だからこそ、今あなたが一番困っていることから、少しずつ向き合っていけば大丈夫です。
この記事が、その入口になれたら嬉しいです。同じようにひとりで頑張っている方へ。一緒に、無理せずやっていきましょう。


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